§ハミングバード
小学生の頃購読していた、子供向けのある雑誌で、時々世界の珍しい物とか、不思議なものとかいう特集が載っていた、私は、そのての読み物が好きで好んで読んでいた.そこに、あるとき『はちどり』といわれる鳥が紹介されていた.その鳥は、大きさがスズメ蜂ほどで、長いくちばしで、羽をばたばたとさせながら、花の花粉や蜜を食べるとあった.その当時、奈良盆地に住んでいた私が身近に見られる野鳥といえば、つばめやすずめ、カラスくらいで、その『はちどり』の事を読んだ時、昆虫位の大きさの鳥が、どんな物か想像がつかなかった.中南米かどこかはるか遠い所に生息していると書いてあったが、その時はまさかそんな遠い所へ行けるはずがないし、私にはまったく関係のない事と、忘れてしまった.
ここ数日、フロリダは、ずっと気候が良く、それにサマータイムで夕食後でもまだ明るいので、ある日の夕食後、外に出てぼお〜っとしていると、娘が『ママ、あの木の枝にハミングバードがいるよ』と指さした.「ハミングバードとは、なんともかわいい名前. きれいな声で鳴くのかな?」と娘が指差した木の枝を見上げると、すっごい小さな鳥が、枝に止っていた.「ええ?あれは『はちどり』と違うのかなぁ? 南米だけに生息していると思っていたけどフロリダにもいたのか? ここではハミングバードというのか?」などと、いろいろ思いながら鳥が飛び去るまでの数分間じっと見ていた. そして今日夕方、庭のスプリンクラーの調子が悪いので外で調べていた時、フッと横を見たら、ちょうど手が届きそうな位の所に、昔あの雑誌で見たの写真どおりの格好で羽をせわしそうにばたつかせた、あの『はちどり』が、Palmetto Palmに近ずいて蜜を探していた.「おおすごい!すごい!本当に小さくてとってもかわいい!」と感激しながら、『はちどり』に気付かれては逃げられると、私は息をこらし、動かず、回りの風景の様になったつもりで、身動きせず目だけ動かしてその『はちどり』を飛び去る迄、少しの間観察していた.
その後、娘になんで『ハミングバード』と呼ぶのと聞いたら、羽をすごく速く動かすのでその時にでる音が『ん〜ん〜ん〜』とハミングしているようだからと教えてくれてた. 私が子供の頃読んだ本には、その羽音が『ぶ〜んぶ〜ん』と蜂のようだから『はちどり』と呼ばれていると書いてあった.これはこの鳥に最初に名前を付けた人のセンスの問題だろうが、私は、『蜂』よりは『ハミング』の方がこの小さくてかわいい鳥にはあってるなと思った.
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